2026/06/11 23:43

  春は、台湾の養蜂家にとってとても大切な季節です。台湾では、多くの蜜源植物の開花時期が2月〜5月頃の春に集中しています。気温が少しずつ暖かくなり、花の量も増え、さらに雨量もまだ多すぎないため、台湾を代表する多くの蜂蜜は、この時期に採蜜されます。Beekeeping®️の台湾養蜂場でも、春になると、咲いている花を追いかけながら忙しい毎日が始まります。


  今回の記事では、実際の養蜂現場に入り、4月の台湾の養蜂家がどのように「百花蜜」を採っているのかをご紹介します。


  百花蜜は、複数の花を蜜源として集められた蜂蜜です。台湾では、龍眼蜂蜜やライチ蜂蜜に続いて、広く親しまれている蜂蜜のひとつです。百花蜜の魅力は、毎回味わいが違うこと。まるでガチャガチャを回すように、「今回はどんな香りと味だろう?」という楽しさがあります。同じ養蜂家が採った百花蜜でも、採蜜する時期や場所により、風味は変わります。それこそが、百花蜜ならではの面白さであります。

 

ミツバチが栗の花を訪れる様子


  養蜂家たちは、通常夕方から翌日の明け方にかけて蜂箱を移動します。蜂箱を運ぶためには、蜜蜂たちが巣に戻る夜の時間を待ってから、入口を閉じる必要があります。また、夕方以降は気温が下がるため、蜂箱を閉じた時に内部が高温になり、蜜蜂が蒸れてしまうリスクを減らすことができます。

 

  ひとつの蜂箱の重さは、およそ2030kg以上。これは、68歳くらいの子どもを抱えるのに近い重さです。台湾のプロの養蜂家は、「天秤棒」を肩に担ぎ、一度に2箱ずつ運びます。しかも、それを何度も往復しながら運んでいくため、非常に体力と労力を必要とする仕事です。

     

▲天秤棒で蜂箱を運ぶ様子と、箱をトラックへ積み込み、採蜜地へ向けて出発する様子。



  実は、目的地へ出発する前から、養蜂家の仕事はすでに始まっています。蜂箱を置く場所の整備や、配置場所の確認・目印づけなど、事前準備を細かく進めておきます。そして現地に到着した後、計画に沿って蜂箱を並べていきます。

 

  花蜜の採蜜期間は、花の種類にもよりますが、およそ2025日ほど。採蜜の間隔は、だいたい36日ごとに行われます。採れる期間は短いため、台湾の養蜂家にとって春は特に忙しい季節です。限られた花の時期を逃さないように、毎日の天気や花の状態を見ながら、慌ただしく動き続けています。

 

  

▲採蜜現場で並んでいる蜂箱 


  実際に養蜂家へ話を聞いてみると、現在ひとつの大きな悩みを抱えていることがわかりました。それは、人間による過度な開発や農業形態の変化によって、採蜜に適した場所が年々少なくなっていることです。

 

  現在、養蜂家たちはその対策として、果園のオーナーと協力し、果樹園を借りて採蜜を行っています。また、採蜜場所を求めて、土地を貸してくれる地主を各地で探して回ることもあります。もちろん、採蜜場所を借りる際には費用が発生することもあります。ですが、面白いことに、中には「その場で採れた蜂蜜を分けてほしい」という形で貸してくれる果園のオーナーもいるそうです。

 

  蜜蜂たちに花蜜を集めてもらった後は、「実際にはちみつはどうやって採るの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。その様子については、今後の記事で、実際の養蜂現場からリアルな採蜜風景をみなさんにお届けしていく予定です。

 

  ひとさじのはちみつの背景には、花の開花を追いかける養蜂家の移動や、蜜蜂たちの働き、そして自然環境との共生があります。今回ご紹介した百花蜜も、その年の気候や花の状態によって風味が変わる、まさに自然からの贈り物です。Beekeeping®︎では、台湾の養蜂家たちとともに採集したさまざまなはちみつを「HONEY ViVa」シリーズとしてお届けしています。台湾ならではの豊かな蜜源植物が生み出す、それぞれ異なる個性をぜひご覧ください。


Beekeeping ®について

 

2023年、東亜園は 新ブランドの「Beekeeping ®」を立ち上げました。
Beekeeping(ビーキーピング)」は、日本語で「養蜂」を意味します。
ブランド名に含まれる “Bee” には、蜂だけでなく、「友達」や「仲間」といった意味も込めています。
また、“keeping” には、「保つ」「守る」「共存する」といった想いを込めました。
私たちのブランド“Beekeeping®”は、自然とともに生きること、人とのつながり、そして品質を守る姿勢を大切にしています。

 

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